猫というのは人間を分かっているが、なんとも思ってない。

猫はきっと、人間をなんとも思っていないんだろうと思う。
近所の野良猫はよく集会を開いているのだが、どうやら太った白猫がボス猫らしく、ほかにも目に傷のあるキジトラ猫や、茶色いシマのある、少し可愛らしい猫など様々だ。
僕は猫が好きなので、彼らの集会に何度もお邪魔しようと思うのだが、大概はその場で解散になってしまう。
そんな中、ボスの白猫が近所の垣根に寝ていたので、うれしくなって声をかけてみたが、奴はこっちを見向きもしない。
まるでそよ風でも吹いたかのように、奴は澄ました顔をしているので僕もムキになり、ついついその白い毛玉に触れてしまった。
すると不思議なことに、奴は大人しく触らせてくれるではないか。
僕は次に奴の喉を撫でまわす。すると目つきの悪いその目は、やっと僕のほうを向いてくれた。
どうやらこいつ、相当人間慣れしているらしい。近所でもかなり有名な猫だし、多分自分の可愛さを理解しているのだろう。
奴はきっと、僕のことを撫でてくる奴隷にしか思ってないのだと感じた。